行政書士ささき事務所

相続トラブルは一般家庭にこそ多い!備えて防ぐ方法まで解説

一般家庭こそ「準備不足」で争いが起こりやすい

「うちは財産なんて大したことないから大丈夫」──

そう思って準備をしないご家庭ほど、実は相続で争いが起こりやすいのです。

家庭裁判所の統計では、遺産分割事件の約7割は、遺産総額が5000万円以下の一般家庭の事例

つまり「普通の家の相続」が裁判になっているのが現実です。

“財産が少ないから大丈夫”という考え方は本当に危険です。
実際にご相談を受ける案件の多くは、ごく一般的な家庭です。
準備不足が大きなトラブルにつながってしまうのです。

なぜ“普通の家庭”で争いが起きるのか?

実家をどうするかで対立

相続で最も揉めやすいのが「実家をどうするか」という問題です。

たとえば、長男は「売却して現金化して兄弟で平等に分けたい」と考えているのに対し、次男は「思い出があるから残したい」と主張する――そんな意見の食い違いは珍しくありません。

さらに、「誰が管理するのか」「固定資産税は誰が払うのか」といった現実的な問題も絡み、話し合いがこじれてしまうことも多いです。実家は“財産”であると同時に“思い出”でもあるため、感情とお金の両方が複雑に絡み合うのです。

介護の負担が不公平だと感じてしまう

「自分は毎日のように親の世話をしてきたのに、兄弟は何もしてこなかった」――こうした思いが積もり積もって、相続の場面で爆発するケースは非常に多くあります。

特に、介護に費やした時間や労力が大きいほど、「同じように財産を分けるのは納得できない」という気持ちが強くなります。一方、世話をしてこなかった側は「介護は自分の役割じゃなかった」と考えており、感情の溝はさらに深まってしまいます。

「隠し財産」疑惑で不信感が生まれる

相続の話し合いの中で「知らなかった預金があった」「保険が後から見つかった」ということもよくあります。本人が単に話していなかっただけでも、「隠していたのでは?」と疑心暗鬼が生まれ、一気に不信感が広がります。

こうした不信感は一度芽生えると修復が難しく、「親子・兄弟なのに信じられない」と関係が壊れてしまうことも。相続は“お金の問題”というより、“信頼の問題”になるのです。

感情のしこりが一気に噴き出す

相続は、長年心の奥にあった不満が一気に表面化する場面でもあります。
「昔から兄ばかり優遇されていた」「自分ばかり苦労してきた」――そんな過去の出来事まで持ち出され、話し合いが感情論に発展することも珍しくありません。

本来は“円満な未来のための手続き”であるはずの相続が、感情のぶつけ合いによって「絶縁」にまで至ってしまうケースさえあります。

相続の争いは、金額の大小よりも、準備不足と感情のもつれから始まることが多いんです。
だからこそ、きちんと話し合い、記録に残しておくことが大切です。

今からできる具体的な3つの備え

1.遺言書の作成

「誰に何を、どのような形で残すか」を明確にしておくことは、トラブルを防ぐ最善の対策です。自筆証書遺言でも構いませんが、公正証書遺言であれば法的な強度が高まり、争いの可能性が格段に低くなります。

2.財産目録をつくる

預金・不動産・保険・株式などの資産を一覧にしておくことで、「何がどこにどれだけあるのか」が明確になります。情報が整理されていれば、家族が不要な疑念を抱くこともなく、相続手続きもスムーズです。

3.家族会議を開く

「親がどうしたいのか」「子どもたちはどう考えているのか」を事前に話し合っておくことで、意見のすり合わせができます。合意形成ができていれば、相続発生後のトラブルを最小限に抑えることができます。

また、この家族会議は“争族(そうぞく)”を防ぐだけでなく、家族同士の信頼関係を深める大切な時間にもなります。

遺言書や財産目録は“家族への思いやり”そのものです。書類として残しておけば、『言った・言わない』の争いを防げます。

専門家に相談するタイミングは?

  • 遺言書の書き方に迷ったとき
  • 財産の全体像を整理できないとき
  • 家族会議がうまく進まないとき

“専門家に相談するのは最後でいい”と思っている方が多いですが、それでは遅いことが多いんです。
遺言書や財産の整理の段階から一緒に伴走できれば、安心感がまったく違いますよ。

まとめ:備えが“家族を守るカギ”

相続は「お金持ちの家の問題」ではなく、むしろ普通の家庭こそ準備不足から争いになりがちです。
遺言書、財産目録、家族会議──小さな一歩でも始めることが、将来の安心につながります。

家族の笑顔を守るために、ぜひ“今からできること”を始めてほしいと思います。小さな準備が、大きな安心につながります。

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