行政書士ささき事務所

【完全版】ケアマネのための終活連携ガイド(行政書士)

介護業界、ケアマネジャーさんや社会福祉士さんとお話をすると、「遺言」「死後の手続き」「金銭管理」「後見人」といった終活ワードが出てきます。

「相続や遺言について聞かれたが、専門外なので対応に困る…」

「独居の高齢者が亡くなった後の手続きが必要だが、どうすればいいかわからない…」

「利用者が認知症で財産管理が難しくなっており、後見制度を利用したい…」

「指定難病の医療費助成を受けたいと言われたが、手続きが複雑で説明が難しい…」

ケアマネさんの本来の業務範囲を超えてボランティア精神で対応している現場をよくお見かけします。

しかし、ここを「そのうち…」と後回しにしてしまうと、

  • 家族の迷走
  • 事業所の事務負担
  • 担当者の時間外・業務外労働

につながりがちです。

本記事では医療・介護系行政書士の立場から、「どの場面で行政書士に繋ぐか・何を渡せば早いか・どこまでが自分の役割か」を、現場で使える形で整理していきます。

ケアマネ・社会福祉士さんのお悩みを少しでも軽減できれば幸いです!

行政書士との連携を検討しよう

次のような場面は、行政書士に早めの「橋渡し」がおすすめです。

  • 独居で親族が疎遠/「亡くなった後が不安」と繰り返し口にする
    死後事務委任公正証書遺言の検討期です。
  • 金銭管理が不安定(滞納・紛失・詐欺の兆候)
    見守り契約任意後見の準備で予防しましょう。
  • 相続人の温度差が大きい(別居の子が強く主張/長男は消極的 など)
    → 早い段階で遺言書を作成し公平な相続割合を指定しましょう。
  • 延命や療養方針の希望がはっきりしている/迷っている
    尊厳死宣言書意思記録を整えると実務がスムーズです。
  • 入退院・転居が続き書類が散逸
    重要書類の棚卸しと保管ルールづくりをしましょう。

早く私たち行政書士に繋ぐほど手続きは簡潔になり、家族・事業所ともに負担が軽くなります。

行政書士ができること

① 遺言書の作成支援

「家族が争わないために遺言を残したい」という利用者様の意向を尊重し、公正証書遺言などの作成をサポートします。

② 死後事務委任契約

独居の高齢者や身寄りのない方の、死後の手続きを代行いたします。葬儀や役所への届出など、利用者様の意思を尊重しながら対応可能です。

③ 尊厳死宣言書の作成

延命治療を望まない方の意思を明確にするため、尊厳死宣言書の作成をサポートします。

④ 相続手続きの代行

戸籍の取得、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成、相続登記のサポートまで、一連の相続手続きを代行いたします。

⑤ 高齢者の日常生活サポート契約

身寄りのない高齢者の方の金銭管理や見守り支援を行います。

⑥ 指定難病医療費助成制度の申請代行

複雑な申請手続きに不安を感じる方のために、必要書類の準備から提出までを代行し、医療費助成を受けられるようサポートします。

⑦ 成年後見人就任

認知症や判断能力の低下により財産管理が困難になった方に対し、行政書士が成年後見人として就任し、適切な支援を提供します。

「善意でやっていたが、本来業務では対応しきれない…」という悩みを、私たちが解決します。

役割の線引き:ケアマネと行政書士

ケアマネが担うこと

  • 生活全体のアセスメントと意向把握(ケアプランの土台)
  • 医療・介護サービスの調整、家族会議の場づくり
  • 連携に必要な同意の取得と、必要最小限の情報共有

行政書士が担うこと(書類と段取りの専門)

  • 遺言作成支援(特に公正証書遺言の設計・証人手配)
  • 死後事務委任契約(葬送・役所届出・解約等の受任体制の設計)
  • 任意後見/見守り/財産管理等の契約作成支援
  • 相続の初動支援(戸籍収集・相続関係説明図・遺産承継・遺産分割協議書の作成サポート)
  • エンディングノート等の意思を法的文書へ落とし込む支援

他士業にバトンを渡すべき領域

  • 相続登記 … 司法書士
  • 紛争性のある交渉・訴訟 … 弁護士
  • 相続税申告・贈与設計 … 税理士

窓口を一本化したい場合は、他士業連携のコーディネートまで対応可能な事務所さんに相談すると楽です!

当事務所でも他士業連携はお任せいただけます!

よくあるケースと改善のポイント

  • 独居70代・親族不在
    生前に死後事務委任+公正証書遺言を整備。急変時も葬送・届出・解約が滞りなく進み、事業所の臨時対応が大幅減
  • 配偶者も高齢・子は遠方
    見守り契約+任意後見(将来効力型)で金銭管理の遅延を予防。事前契約で認知症になってもすぐに後見人を申し立てできる。

※いずれも一般化した事例です。

当事務所でのご相談の流れ

行政書士ささき事務所では、大体以下の流れで進んでいきます。

不安を残さないように進めていけるよう、打ち合わせを複数回しっかりと設けています。

  1. 初回相談(無料)
  2. 1回目打合せ
  3. 調査など
  4. 2回目打合せ
  5. 各種書類作成・サービス提供
  6. アフターフォロー

※対応内容によって変動する場合があります。

ケアマネからのよくある質問

費用はどのくらい?

初回相談は無料。着手前に見積と業務範囲を必ず提示します。

訪問対応は可能?

可能です。来所・訪問・オンラインのいずれにも対応し、身体状況や遠方も考慮して調整します。

任意後見は全部お任せで進む?

契約設計・書類作成は当事務所で行います。

尊厳死宣言は法的に効く?

画一的な法定効力はありませんが、本人意思の客観的記録として医療現場での判断を助けます。公正証書化で信頼性を高められます。

入退院など期限のある案件、急ぎでも対応可能?

はい。期限のある案件は最優先で調整します。まずはお電話ください。

事業所にとってのメリット

  • 家族の「誰が何をするか」が明確になり、問い合わせの往復が減少
  • 逝去時の届出・解約・葬送の段取りが事前に定まり、残業リスクが低下
  • 重要書類の所在が整理され、入退院・入所時の手続きがスムーズ。
  • 見守り・任意後見の準備により金銭トラブルの芽を早期に摘める。

介護の質を守りながら、担当者の時間も守る――そのための「連携」です。

まとめ:連携して負担を減らそう

終活は介護の外側のようでいて、生活の安定と家族の安心に直結します。

ケアマネが同意を得て情報を整え、適切な専門家へ繋ぐ――その一歩だけで、利用者・家族・現場の負担は確実に軽くなります。

私たちは書類と段取りの専門家として確実に伴走します。