
ご相談の背景
都内に事務所を置く宅地建物取引業者様から、免許の更新申請の代行をご依頼いただきました。
宅建業免許の有効期間は5年間で、更新の申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行う必要があります。この期間を過ぎると免許は失効し、そのまま営業を続けると無免許営業として罰則の対象になります。
今回は準備を進める中で、更新申請の前に片付けておかなければならない事項が二つ見つかりました。一つは役員の追加、もう一つは専任の宅地建物取引士の登録情報の不備です。
行った業務
- 更新免許申請書類一式の作成(免許申請書、宅地建物取引業経歴書、略歴書、誓約書、事務所関係書類ほか)
- 役員就任に伴う変更届出書の作成・提出
- 専任の宅地建物取引士に係る資格登録簿変更登録申請(他県の登録庁へ)
- 身分証明書、登記されていないことの証明書、履歴事項全部証明書等の代理取得
- 委任状・各種送付状の作成
ポイント
変更の届出が済んでいないと、更新申請はできません。
役員の就任や退任、事務所の移転、商号の変更など、免許申請書の記載事項に変更があった場合は、変更が生じた日から30日以内に変更届出が必要です。この届出が漏れていると、更新申請そのものを受け付けてもらえません。
今回は更新準備と並行して新たな取締役が就任することが決まっていたため、登記の完了を待って変更届出を提出し、その後に更新申請へ進む流れとなりました。
専任の宅地建物取引士の登録情報にも、確認が必要です。
今回とくに注意が必要だったのが、専任の宅地建物取引士の資格登録簿です。勤務先の商号は登録されていたものの、勤務先の宅建業免許番号が空欄のままになっていました。
取引士の資格登録は、登録を受けた都道府県知事が管理しています。該当の取引士は他県で登録されていたため、東京都への更新申請とは別に、その県へ変更登録申請を行う必要がありました。会社が免許を取得する前に登録されたことなどが原因と考えられますが、長年気づかれないまま残っているケースもあります。
証明書は「3か月以内の原本」が必要です。
身分証明書や登記されていないことの証明書は、申請受付日の時点で発行から3か月以内の原本でなければ受け付けられません。今回のように変更届出と更新申請を続けて行う場合は、それぞれに原本が必要になります。同じ証明書を2通ずつ取得しておくと、手戻りを防げます。
宅地建物取引業経歴書は、帳簿に基づいて作成します。
経歴書には直近5年間の取引実績を記載します。金額は決算書と照合されるため、売上に宅建業以外の収入が含まれている場合は、内訳を示して整合を取る必要があります。
件数や取引金額は、宅地建物取引業法第49条に基づく業務に関する帳簿から転記するものです。日頃から帳簿を整えておくことが、5年後の更新を楽にしてくれます。
おわりに
期間内に更新申請を済ませていれば、審査中に有効期間満了日を過ぎた場合でも、新しい免許の交付を受けるまでは従前の免許が有効とされています(宅地建物取引業法第3条第4項)。
宅建業免許の更新は、5年に一度しか訪れない手続です。その5年間に生じた変更の届出が済んでいるか、専任の取引士の登録内容が実態と合っているか、帳簿が整っているか。普段は意識しにくい部分が、更新のタイミングで表に出てきます。
更新の時期が近づいている、変更の届出が漏れているかもしれない、といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
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